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春の牡丹餅(ぼたもち)秋のお萩 ~ 彼岸に込められた思い ~

 3月も半ばを過ぎ、暦の上ではお彼岸に入りました。お彼岸は春分の日(2014年は3月21日)を中日(ちゅうにち)として、前後3日間を加えた一週間ですから、18日(入り)から24日(開け)になります。一方、秋のお彼岸も同様にして、秋分の日を中日として計算します。“暑さ寒さも彼岸まで”と言われているように、春のお彼岸を境に暖かい日が続くようになりますね。

 彼岸は「到彼岸」の略語です。サンスクリット語のパーラミータ(波羅蜜多)という仏教語が、中国で到彼岸(とうひがん)と訳され、日本に伝わりました。パーラミータとは、迷いや煩悩の世界である此岸(しがん・この世)から、悟りの世界である彼岸の境地へ到達することです。僧侶は春と秋の彼岸の時期にそのための修行をします。

 

 なぜこの時期に修行をするのかと言うと、浄土宗では西の彼方に極楽浄土(悟りの世界)があり、太陽が真西に沈む春分と秋分の日が、極楽浄土を思い浮かべて修行をするのに最適だと考えられていたからです。その思想が後に民間信仰などと重なり、彼岸にお墓参りをして先祖供養をする法要、「彼岸会(ひがんえ)」につながったのではないかと言われています。

 

 この風習は日本独自のもので、他国にはありません。一説によれば農耕民族であった日本には太陽信仰があり、五穀豊穣などの祈願に伴って行われた儀式と先祖供養が結び付いたのではないかと考えられています。自然への祈りや感謝の気持ちを捧げるのと同様、ご先祖さまにも感謝し、お参りをして思いを伝えたのでしょう。

 

 ところで、お彼岸のお供えに欠かせないものと言えば「牡丹餅(ぼたもち)」「お萩」です。呼び名は違っても、餅米とうるち米、小豆で作られた同じ食べ物で、前者は春に咲く牡丹の花に、後者は秋の花をイメージして付けられた名称です。ちなみに江戸時代後期の文献によると、夏は「夜船」、秋は「北窓」と呼ばれたそうです。しかしながら、なぜお彼岸には牡丹餅やお萩を供えるのでしょうか。

 

 そのヒントは材料の小豆にあるようです。赤い色をした小豆には、古くから邪気除けの効果があると信じられていました。また、かつては貴重とされていた砂糖を使って牡丹餅やお萩を作るのは何よりの先祖供養であり、彼岸に供養を行うことで、悟りの世界にいる先祖と心を通わせることにもつながったのではないでしょうか。

また、こしあんと粒あんがあるのは旬が関係している様子。保存技術が未発達だった昔、秋に収穫される小豆は皮が柔らかく、春は乾燥して食べづらくなったことから、春はこしあんで作ったという説があります。他にも、春は牡丹の花のように大きく、秋は萩の花のように小ぶりで長めに作ったなど、諸説あるので調べてみると面白そうですね。

 

 私たちの祖先がお彼岸に込めた思いを想像しながら牡丹餅をいただくのも風情がありますよね。春のお彼岸には牡丹餅を持ってお墓参りに行き、ご先祖さまに今のあなたの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

 

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