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“難転”につながる南天の力 ~薬、縁起物として重宝されてきた植物~

 1月も半ばを過ぎると、寒さがグンと増してきます。この時期は風邪やインフルエンザにかからないよう用心したいものですが、疲れがたまって免疫力が落ちてくると、どうしても風邪を引きやすいですよね。のどの痛みや不快感を緩和するために、のど飴を手放せない方も多いのではないでしょうか。

 のど飴には、カリン、ショウガ、ハチミツなど、たくさんの種類がありますが、南天の有効成分を含むのど飴も良く知られています。

 南天は、赤または白い小さな丸い実をつけるメギ科の常緑性低木で、果実、葉、茎、根のいずれも薬用として利用されています。果実を干したものが南天実(なんてんじつ)と呼ばれる生薬で、成分にアルカロイドのドメスチンを含み、咳をしずめる作用があります。南天実を5〜10g(子供には3〜5g)、600ccの水で3分の2ぐらいの量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用すると、咳や百日咳などに効くと言われ、視力回復や白内障にも有効とされています。

 

 一方、南天の葉には解毒・殺菌・防腐作用があります。火傷や切り傷、虫にさされたときなどに、すり鉢ですった葉の汁をつけると患部に有効に働き、乗り物酔いを防ぐときには、直接葉を噛むと良いと言われています。

 赤飯の上に南天の葉を添えるならわしがあるのも、同様の理由があります。葉に含まれるナンジニンという成分が赤飯の熱と水分に反応し、解毒作用のあるチアン水素を発生させ、腐敗を防いでくれるのです。昔の人はその効果を経験により知っていたのでしょう。

 

 南天は薬効のみならず、古くから縁起の良い木と言われ、庭木や生け花、祝い事、厄除の行事などにも使われてきました。

 長い期間、色あせないことや、“難を転じて福と成す”という思想にも通じることから、戦国時代には武士の鎧を入れておく箱の中に南天の葉を入れ、出陣の際に床の間に挿して戦勝を祈願したと言いますし、南天と水仙(中国の古典で、水辺に咲く花の様子が仙人にたとえられている)を描いた掛け軸、「天仙図」は、現代でも正月の縁起物とされています。

 

 ことに江戸時代には南天の人気が高まり、盛んに栽培されるようになりました。同時代の百科事典と言われる、『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』には、「庭に植えて火災を防ぐ。大変効験がある」との記述があり、実や枝、葉などの効能や、大木が枕の材料とされていたことなどについて書かれています。南天は和漢三才図会で紹介されたことで人々に広く知られるようになり、火災除けとして庭に植えられ、さらに魔除けとして玄関先にも植えられるようになっていくのです。

 

 一年の始めには、多くの家庭で、「家内安全」「無病息災」「商売繁盛」「良縁祈願」など、思い思いのお祈りをされたことでしょう。先人の知恵に習って、縁起の良い南天を玄関先に植えたり、鉢植えを置いてみるのも良いきっかけかもしれませんね。

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